投稿日:2024年11月1日
OEM装置設計・製造.comを運営するZESTIAは、装置設計から製造、組立まで一貫対応できることが強みです。特に、量産機の装置設計においては、組立工程を意識した設計を行うことで、工程の効率化やコスト低減、部品点数の削減につながります。例えば、高機能装置だから全ての部品を高精度化したとしても、複数の部品を組み合わせることで寸法公差が積み上がり、設計上狙っている位置からズレてしまうことがあり、その結果、要求通りの装置を製造できなくなる可能性があります。このように、装置設計では組立までの全ての工程を考慮する必要があります。
医療機器メーカーのお客様から、既存機種の量産に伴う装置製造を依頼されました。まず、頂いた既存機の図面を確認したところ、図面自体が古く、手作業による修正箇所が図面に全く反映されていないことがわかりました。また、組立時の現物合わせは手作業が多く、属人化が進んでいたため、機種ごとに仕上がりのバラつきが見られました。既存機種の問題点は以下の通りです。
<既存設計の問題点>
①図面改訂が初期の物であり、変更箇所が反映されていない
②組立時に微調整を行っており、機器ごとに仕上がりに差異がある
③装置部品の手配先が多く、調達業務が煩雑である
量産機によるコスト低減はエンドユーザーへの付加価値を生み出すため、統一性のある組立作業による作業時間の短縮は重要です。そこで当社は、現状の装置の問題点に対して、次の対応を行いました。
<当社の対応内容>
①1から再設計を行い、3Dモデルを用いて干渉や強度などの安全性を確認
②リビジョン管理を行うことで、現物と図面の差異を解消
③ノウハウを全て図面に落としこみ、機種ごとの差異がない装置製作を実現
これらの対応を行った結果、量産の妨げとなっていた属人化された装置組立を全て図面に落とし込むことで、誰でも図面を見るだけで組み立てられるようになり、組立の標準化に成功しました。そして、量産製造における信頼度をエンドユーザーから得られ、従来は1人の職人が月産10台製造していた機種を今では当社で月産30台製造出来るようになりました。※人工をかければもちろん増産可能です。
このように、長年製造されている装置の中には、様々な事情が絡み合い、いつの間にか利益率や生産性が低下していることも少なくありません。また、ボトルネックが明確になったとしても、メーカーは日々新しい機器や装置を生み出すために、いくら時間があっても足りない状況が容易に想像できます。
そんな時に、当社のように社内で製造工程を完結できる外部企業に設計や工程の委託をご検討いただくことで、皆様の業務効率を改善しつつ、製品の見直しを通じて、性能や信頼性の向上が期待できる事例も多くございます。装置の再設計をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。