刃物の逃げ(フライス加工)の設定による機械加工コストダウンのポイント
Before
一般に刃物で材料加工する機械加工においては、刃物の動きが「逃げる」ための「逃げ」が部品形状に必要である。上図では逃げ穴が45度に設計されており、フライス加工でこのような逃げを作るためには加工コストが高くなってしまう。
After
フライス加工の場合、上図のように逃げを設けるように設計することで加工コストを削減することができる。部品の仕様上、逃げが任意形状で問題ない場合、上記のように図面上に「逃げ可」とだけ指定することで加工現場では最適な加工方法を検討し、1クランプで斜線部も切削しながら逃げ加工も出来るので1工程削減でき、トータルとして加工コスト削減につながる。
機械部品のVA 設計では、各機械加工の加工方法や手順を知っておくことが重要になる。機械部品の角部に刃物の逃げ溝を設ける場合も、フライス加工と旋盤加工では逃げ溝の設け方が異なり、フライス加工では45 度等の斜めの逃げ溝の加工が困難である。逃げ溝の設定については、「逃げ溝可」の指示のみ行っておくことで機械加工のコストを削減することができる。
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