お客様の仕様に合わせた装置を設計・開発します

装置設計・開発実績

CASE

構想設計

窒素充填機のConceptDesign

本案件はお客様にて既に他社様にて装置の試作設計自体は完了されており、その上で課題となるボトルネック解消を目的として当社にご相談いただいた経緯がございます。
最優先事項は「コストダウン」でしたが、懸念点・課題として重量・生産性・保守性・安全率等含め、様々なご要望事項を頂きました。
初期提案としてまずは図面内の要求精度の精査や、材質変更によるコストダウンを検討し、お客様とのお打合せを繰り返す中でご要求事項と現実的な実現性との差異を縮小してまいりました。
構想設計段階で全図面の精査を行い、構造変更を含む設計変更により1000万→600万にて客先への提示をさせていただきました。

要素検討/試験

窒素充填機のElementalStudyTest

要素検討としてまず行ったのは、コスト及び重量低減を目的とした構成材質の変更検討でした。一つの部品を製作するにしても要求精度や材質の堅牢性を重視した設計となっていたため、お客様とのすり合わせの中で現実的な必要スペックの精査や、それに伴う設計変更を順次行っていくこととなりました。方法としてはスマートに聞こえないかも知れませんが、まずは全部品・全図面を対象として当社で機構の再検討、及び稼働時に部品ごとにかかるであろう負荷やそれに伴う必要スペックの洗い出しを行い、一つ一つ設計変更を施して参りました。
大きなコスト削減をゴールとするのであれば、まずは現状の把握から始め、エビデンスに基づく確かな最適化をしていくことが、泥臭く見えてベターな方法と、当社は考えております。要素検討段階では材質変更や精度再検討がメインとなりますが、後工程の設計ではより根幹となる機構の設計変更も進めることになります。現状の問題点がクリアできていない、もしくは把握もできていない状態での機構設計変更検討は、土台ができていない状態で上層階を仕上げていくようなもので、後になって土台部分に欠陥が見つかればその設計は崩壊するでしょう。様々な事情・状態の案件がある中で一様な対応では最適解を導くことは難しいのが設計ですが、当社は本件ではまず土台の整理整頓から入念に実行いたしました。

食品関連で散見される事例なのですが、本件では機械加工部品はステンレスとアルミのみで構成されておりました。食品に当たる箇所やそのユニット周辺(装置上部)はステンレスやアルミが望ましいですが、装置の架台部分や食品の周辺以外(装置下部)には鉄+表面処理(メッキや塗装)での代替が可能です。これにより鉄とステンレスの価格差で膨大なコストを低減することができました。

基本設計

窒素充填機のBasicDesign

要素検討にて全構成部品の最適化を終え、基本設計では様々な機構の設計変更の検討・精査をさせていただきました。
◇設計変更内容(一例)
・搬送手法の変更 : チェーン駆動 ⇒ ベルト駆動
・メインフレーム構造の変更 : 削り出し大型天板 ⇒ 溶接大型天板
・電装ボックスフレームの変更 : フレーム構造 ⇒ モノコック構造
・巻き取り装置の材質変更 : ステンレス ⇒ アルミ
例えば搬送方法をチェーン駆動からベルト駆動に設計変更させていただいておりますが、これにより重量の大幅低減と200点もの部品点数の削減につながりました。また、搬送ユニットを載せていた土台ユニットに必要となる強度も、3Dデータでの強度計算結果を基に低減するに至りました。もともとフレーム構造でチェーン駆動部を支えていたのですが、ベルト駆動に変更したことでフレーム程の強度が不要になりました。その為代替案としてモノコック構造を採用し、構成する板6面で強度を保持することができました。構造の変更により該当部分だけで重量とコストを大幅に(60万程)削減いたしました。その他の提案設計変更に関しましても上記同様コスト・重量削減をメインに提案をさせていただきました。

詳細設計

窒素充填機のDetailedDesign

詳細設計では前段階までで確定した情報を基に図面を完成させていく段階ですが、本件ではお客様のご希望を都度・ギリギリまで盛り込んでおりました。部品の図面化に際し情報の更新が絶えなかったため、詳細設計のタイミングで全ての確定が必要となりました。
当社もできる限りご希望は盛り込ませていただきましたが、改めて区切りをつけるとともに形にしていくためのまとめを行いました。本件は先方のご担当者様が多く、ご意見の一貫性に乏しかったことや、設計思想のブレが多かったことも要因の一つとなっておりましたため、ご意見をまとめるのはもちろん、共通理解・認識を得られるデータ提示が必要でした。詳細設計時に行った「本体耐荷重」「構造体」の強度解析(線形解析 静解析)をはじめとするデータを基に、お客様へ改めて設計思想や内容に関してのご理解を頂き、当社も図面の製作に全力をかけることができました。
お客様のご要望で伺っておりましたコスト・重量に関してですが、本件ではコストが【1000万 ▶ 600万】、重量は【5t ▶ 2.9t】と、どちらも目覚ましい結果を実現することができました。

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