投稿日:2014年7月3日
それでは、設計・開発者はどのような加工方法を最低限知っておくべきなのでしょうか。ここでは機械・装置のVAVE、コストダウンに直結する加工方法について紹介します。
機械加工
機械加工とは、旋盤やフライス盤、マシニングセンタなどの工作機械を用いて、エンドミル・バイト・ドリルなどの工具で研削・切削を行い、金属や樹脂などを加工し任意の形状に加工することを言います。コストアップを招くよくある事例としては、不必要に小さいRが指定されているために口径の小さな工具を使用しなければならない、といったケースです。もし、このRを大きくすることができれば、口径の大きいエンドミルを使用することができるので加工時間が低減しコストダウンを行うことができます。板金加工
板金加工とは、薄い金属のプレートを切ったり、曲げたり、溶接したりして形状を作り上げることを言います。代表的な板金加工設備は、レーザー加工機、プレスブレーキ、ターレットパンチプレス、プレス、などがあります。板金加工でよくあるコストアップを招く事例は、定尺(サブロクやシハチ)を考慮せずに設計を行い、残材が多く発生するような設計を行ってしまうケースです。材質によって入手できる板厚やサイズが異なりますので、こうした業界標準も押さえておけば、コストダウンにつながります。表面処理・焼入れ
表面処理とは、金属の表面に何らかの化学的処理や被膜を形成することで金属の表面を改質することです。身近な家電や車に用いられるような塗装が最も一般的です。また、焼入れとは金属に対して行うもので、焼入れによって金属の硬度を上げたりすることができます。表面処理や焼入れには様々な方法があり、特に表面処理は一般的な処理方法の他にも各メーカーが独自に行っている方法もあり、用途や仕様に合った方法をいかに採用できるかがコストの適正化を図る重要な要素になります。設計者を多忙にしている理由は、商品企画段階からアフターフォローまで行わなければならないことと、製品立上げ期間が従来よりも短くなっていることが挙げられます。こうした中で設計者は機能の満足とコストダウンを両立しなければなりませんが、双方を同時に行うことは非常に困難です。従って各企業は仕入れ品のコストダウンに躍起になっています。