装置や機械などを設計する設計者・技術者の方々は、いま非常に厳しい環境に晒されています。たとえば、開発費の削減・開発期間の短縮・製品の垂直立上げ・継続的なコストダウンなど枚挙にいとまがありません。 これに対し、装置や機械などを構成する要素は大幅な技術革新がなくなっているので、基本的な構成には変化がありません。このような状況で企業としては自社の利益を大きくするために仕入先に対するコストダウンを要求することになりますが、仕入先も利益を確保する必要があるので、それにはおのずと限界があります。 ここで生まれた概念がVAあるいはVEです。つまり、設計・開発段階から製品を見直すことで全体的なローコストを実現しようという考え方であり、少しでも他社より原価を下げ利益を確保できるように各企業はVAに躍起になっています。しかし、思うような利益を上げられていない企業が多く見受けられます。 この背景には、日本の設計者は機器・装置の開発から製品が市場のリリースされるまで、あるいはリリースされてからも機能を向上させたり、クレーム対応など非常に多忙になっておりなかなかコストダウンを追及できないといった現状があります。

知識1

設計者を多忙にしている理由は、商品企画段階からアフターフォローまで行わなければならないことと、製品立上げ期間が従来よりも短くなっていることが挙げられます。こうした中で設計者は機能の満足とコストダウンを両立しなければなりませんが、双方を同時に行うことは非常に困難です。従って各企業は仕入れ品のコストダウンに躍起になっています。